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組織のタイプによって「良い人材」は変わってくる!採用に失敗しないための最適な人材の選び方

「良い人がいない」
そんなお悩みを持たれる経営者も多いのではないでしょうか。
従業員を雇用していれば必ず目の当たりにする
どういう人材が良い人材なのか」という悩み、
これは永遠の課題です。


人材は「人罪・人在・人財」と揶揄されることもありますが、
組織がどのような特性を持つのかによって、
同じ人であっても人財にもなり得るし人罪にもなり得ます。
人を生かすも殺すも組織次第です。
今回は以上のような観点から、
最適な人材の選び方のコツをお伝えします


組織の特徴を理解する

「どういう人材が良い人材なのか」という問いの前に、
そもそも、あなたの組織がどのような特徴を持っているのか、
またはどのような組織にしていきたいのか、
という大前提を明確にする必要があります。


一般的には下記の二つの組織に分かれますが、
「予防(守り)」か「促進(攻め)」
どちらにより焦点を置いたものなのかを確認しましょう。

予防焦点型組織
・ミスを起こさないために組まれた組織
・新たな挑戦を避ける
・社会的変化に弱く成長もしにくい

促進焦点型組織
・ミスよりもチャレンジに重点を置いた組織
・ミスも起こるがそれが糧となる
・チャレンジによって新たなイノベーションが起こる


これらは、あなたが「こうしたい」と思うことはもちろんですが、
業種や、あなた自身が育ってきた組織の環境によっても影響されるものです。
必ずしもこの分類というわけではなく、

ある部分では予防焦点型で、また別の部分では促進焦点型
というハイブリッドな組織という場合もあるでしょう。


例えば、医療関係などで絶対にミスを起こしてならないところは
予防焦点型で手堅く進めていき、
組織づくりや業務効率化については
促進焦点型でスピーディに進めていくなどです。


いずれにしても、どのような組織づくりや経営戦略を行っているかにより、
「良い人材」の定義が変わってくるということです。


一般的に、予防焦点型組織は、
満遍なく平均点をとる人材が良い人材とされ、
促進焦点型組織は、赤点を取ることもあるが
点を取ることもある人材
が良い人材とされます。

ここを間違うと、当然ですが組織と個人のミスマッチが起こり、
早期離職やモチベーションの低下を招いてしまいます。
ですので、採用の前段階、
つまり面接の場を活用して見極めることが重要になってきます。



適切な質問で特性を見極める

あくまでも私見ではありますが、
予防型・促進型のどちらなのかを見極める質問としていくつか例示します。


・学級委員長などを務めたことがあるか?
 →Yesなら全体的に平均点以上と期待できる

・小さい時にどんな遊びをしていたか?
 →野山を駆け回っていた(外で遊んでいた)なら促進型

・部活やサークルで複数のスポーツを経験したか?
 →Yesなら促進型(優勝経験などあるとさらに期待ができる)

・流行に敏感か?
 →Yesなら促進型

上記の質問は、開放特性を図る質問になっています。
開放特性とは、「ビッグファイブ理論」で示される5つの要素において、
新しい経験に対する反応を示す要素です。


この理論についての詳細はここでは割愛しますが、
開放特性が高いと、新しいものを取り入れることや、
知的好奇心が高く、未知なるものに魅力を感じやすい傾向があると判断できます。
一方で、開放性が低い場合、安定志向で、保守的な側面が現れやすいと言われています。



組織の特徴と個人の特性の掛け合わせで「良い人材」が決まる

改めて、組織の特徴について整理しておきます。

予防焦点型組織観点促進焦点型組織
トップダウン型指示系統シェアドリーダーシップ(*)
少人数の管理者が対応組織形態横並びの組織
手当などによって差をつけるなど評価がしやすい評価基準役割を担うメンバー全員に薄く手当がつくため評価が分かりづらい
特定の人に権限や負担が増えないよう振り分けが必要チームビルディング上からではなく、サポート役となるまとめ役が必要
守りの組織のため、ゆるやか成長速度攻めの組織のため、速い
*シェアドリーダーシップ:チームメンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している状態


最適な人材の選び方のコツとして上記の①と②から考えた時に、
例えば予防焦点型組織では、開放特性が高い人材は組織に馴染みにくい傾向があり、
一方、促進焦点型組織においては、
このような人材をうまく使いこなせば新たなイノベーションを生む可能性が高いと言えるでしょう。


まさに、冒頭でお伝えした、
「同じ人であっても人財にもなり得るし人罪にもなり得ます。人を生かすも殺すも組織次第」ということです。