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看護師とコメディカルの壁――現場出身コンサルが見てきた「職種間ギクシャク」の処方箋

「看護部とコメディカル(検査・放射線・リハビリなど)の間で、いつも小競り合いが起きている」
「お互いの愚痴が院長室に持ち込まれ、板挟みで診療どころではない」

全国の病院・クリニックの院長先生や事務長様から、毎月のように寄せられる切実な相談です。

命を預かる医療現場では、わずかなコミュニケーションのズレが大きな摩擦に発展しがち。

私自身、診療放射線技師として病院勤務していた時代に、看護師長との意見の食い違いで胃を痛めた経験は一度や二度ではありません。
また、弊社に在籍する看護師出身のスタッフからも「技師さんたちの意図が分からず苛立ったことがある」という本音が聞こえてきます。

なぜ、同じ患者様のために働いているはずの医療従事者同士で、こうした「見えない壁」が生まれてしまうのでしょうか。
精神論や仲良しこよしで終わらせない、現場目線の解決策を掘り下げていきます。

なぜ看護部門とコメディカル部門は「すれ違い」やすいのか?

結論から言えば、職種間のギクシャクは「個人の性格の問題」ではなく、医療現場が抱える構造的な宿命によるもの。
原因を突き詰めると、主に3つの背景に行き着きます。

1. 職種ごとに異なる「絶対的正義」の衝突

看護師の最優先事項は「患者の全身状態の安定とバイタル・安全管理」。
一方で、診療放射線技師や臨床検査技師の正義は「診断に耐えうる正確で質の高い画像・データの取得」にあります。

  • 看護師側の視点:「患者様が辛そうなのだから、検査は手短に終わらせてほしい」
  • コメディカル側の視点:「ブレた画像では医師が誤診してしまう。体位保持を徹底し、ベストな撮影を行いたい」

どちらの主張も、医療従事者として1ミリも間違っていません。
お互いに「プロフェッショナリズム」を持っているからこそ、現場で真っ向から衝突してしまうわけです。

2. 業務フローにおける「申し送り(情報共有)」の欠落

急な検査オーダーや患者移送のタイミングなど、業務が混雑する時間帯ほど言葉足らずになりがちです。

「カルテに入れたから見ておいて」という一方通行の連絡では、相手の現場の混雑状況まで推し量ることはできません。
「なぜこのタイミングで送ってくるのか」「なぜすぐ対応してくれないのか」という不信感が、日々の小さなやり取りの中で蓄積されていきます。

3. 「暗黙の上下関係」に対する鬱屈した不満

医療機関の歴史や人員比率から、看護部門が人数の多さを背景に主導権を握るケースが少なくありません。

これに対し、少人数で専門性を極めるコメディカル側は「専門職として尊重されていない」「看護師の都合でシフトや検査順を振り回されている」という被害者意識を募らせがち。
この意識の乖離が、組織の風通しを著しく悪化させる要因になります。

院長がやってはいけない「火に油を注ぐ」2つのNG対応

院内で職種間のトラブルが起きた際、多忙な院長先生がつい取ってしまいがちな対応が2つあります。
しかし、これらは問題をさらに深刻化させる恐れがあるため注意が必要です。

  • どちらか一方の言い分だけを聞いて判断する人数の多い看護師側の意見に寄せてしまえばコメディカルの士気は一気に低下し、突然の離職に繋がります。逆もまた然りです。
  • 「みんな大人なんだから仲良くして」と精神論で片付ける業務の境界線や連絡ルールに問題があるにもかかわらず、個人の感情の問題として放置すると、スタッフは「院長は現場の苦しみを何も分かってくれない」と諦めの境地に入ってしまいます。

現場の壁を溶かす「3つの具体的アプローチ」

では、この根深い「職種間の壁」をどう解消すべきか。
現場経験を持つコンサルタントとして、弊社がクライアント先に導入して効果を上げている3つの処方箋を提示します。

1. オーダー・依頼ルールの「完全な言語化(マニュアル化)」

感情の対立を防ぐ最も確実な方法は、「人の判断」を減らし「仕組み」で動かすこと。

  • 「緊急検査の依頼基準」を明確なチェックリストにする
  • 検査出しの連絡は、内線電話ではなくチャットツールの固定フォーマット(定型文)を利用する
  • 事前の準備事項(ルート確保、服薬状況など)の抜け漏れを防ぐ引き継ぎシートを共通化する

ルールを可視化して院内共有することで、「あの人が意地悪をしている」という個人的な摩擦から、「ルール通りに運用されているか」という冷静な議論へとシフトさせることが可能です。

2. 職種間の「相互理解」を深めるミニ院内勉強会

お互いがどのようなリスクを背負い、どんなプレッシャーの中で動いているかは、他職種には見えにくいもの。

例えば、朝礼や夕方の15分を使い、診療放射線技師が「なぜこのポジショニングが必要なのか、どんな画像だと再撮影になるのか」を看護師に解説したり、看護師が「急変リスクの高い患者の見分け方」を他職種に共有する場を設けます。
相手の「仕事の背景」を知るだけで、現場のトゲトゲした空気は驚くほど和らぎます。

3. 感情を挟まない「第三者(社外人事)」による定期ヒアリング

院長や事務長には直接言えない本音も、外部の専門家であれば気兼ねなく吐き出せるスタッフは非常に多いもの。

客観的な第三者が間に入り、各部署の不満の根本原因を整理した上で、院長先生に「現場改善の提言」としてフィードバックする体制をつくること。
これが、特定の部署が孤立せず、全員が納得感を持って働ける職場づくりの近道と言えます。

まとめ:職種間の連携強化が、最高の医療サービスを生み出す

看護師も、診療放射線技師も、医療事務も、目指しているゴールは「患者様に質の高い医療を提供し、健康になっていただくこと」で一致しているはず。

現場のギクシャクを放置すると、やがて優秀なスタッフの突然の退職という手痛い代償を払うことになります。

株式会社ライフビジョンコンサルタンツでは、元・診療放射線技師の代表をはじめ、看護師・医療事務の経験者がワンチームとなって全国の医療機関をサポート。

現場特有の空気感を肌で理解しているからこそ、机上の空論ではない「リアルに現場が動く組織改善」をご提案可能です。

「院内の人間関係を根本から立て直したい」「スタッフの離職連鎖を食い止めたい」とお悩みの医療機関様は、ぜひ一度弊社のオンライン無料相談をご活用ください。

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