ライフビジョン通信

今どきの人事評価制度の在り方4│評価者の適正

前回の記事で制度設計について触れました。

今どきの人事評価制度の在り方3|制度設計

いよいよ実際に運用していくこととなります。

運用にあたって重要になるのが評価者の特性です。

いくら良い人事評価制度ができたとしても運用する評価者の適性によって効果は大きく変わってきます。

そこで今回は、人事評価制度を適正に運用するための評価者の適性についてお伝えしていきます。

公平性が保てるか

人間誰しも好き嫌いが起こるものです。

しかし、その好き嫌いによって評価の物差しが変わってくると適正な評価はできません。

評価者は主観的なバイアスを排除し、客観的かつ公平な判断ができる必要がありますが、これは評価の時だけではなく、常日頃、意識をしておくことが重要です。

仮に社員の嫌な部分、嫌いな部分が見えた場合には、その社員がなぜそういう行動を起こしたのかの意図や背景を探ることで多面的な捉え方が可能になります。

人は必ず「肯定的意図」によって行動を起こします。

例えば

・ダイエットしているのについつい甘いものを食べてしまう
栄養失調=死という自己防衛本能

・勉強しなければならないのについついテレビを見てしまう
辛いことよりも楽しいことを優先してしまう快楽を求める本能

・同僚に対してついつい強い言葉で接してしまう
同僚よりも強い存在が自分にとって価値があると認識している(刷り込まれた)本能

など、理性とは程遠いより本質の部分が影響していると言われています。

意図がわかると行動を起こす理由もわかりますし、より深くその人のことを理解することができます。

好きか嫌いかという一面的な認識の仕方ではなく、もっと深い人間味のある視点こそが公平性を保つ上では重要となってきます。

コミュニケーションスキル

評価者には社員と効果的なコミュニケーションを取る必要があり、またフィードバックを明確に伝え、社員が理解しやすい形で情報を提供できるスキルが求められます。

例えば、評価者が社員に対してフィードバックを行う際に、具体的な事例や喩えをあげながら、相手が理解しやすいコメントを提供することが効果的なコミュニケーションの鍵となります。

さまざまなタイプの社員がいる中で、社員が理解しやすいように言葉や表現を変え、具体的な改善ポイントや強みを具体的な言葉で伝えることと同時に、社員の意見や感想にも積極的に耳を傾け、双方向の対話を通じて理解を深めることも重要となってきます。

エンパシー(共感力)と感受性

生きていればさまざまなことが起きます。

評価者はその社員の状況や感情に理解を示し、感受性を持って接することが重要で、かつ社員の個々のニーズや成長領域を理解し、サポートする姿勢が求められます。

例えば、社員が特定の期間に家庭の事情で業務に十分に集中できなかった場合、評価者はその状況を踏まえ、公正かつ理解ある評価を提供しなければなりません。

「それだと公平な評価ができないじゃないか」と言われるかもしれませんが、全てにおいて家庭の事情を勘案しなければならないかというとそうではなく、

・社員や家族の大病

・離婚や別居

・事故や犯罪に巻き込まれる

など、その人のパーソナリティに大きく影響するような出来事のみを勘案してあげるだけでも社員の反応は大きく違ってきます。

この気遣いができる人事評価制度となることで、社員は評価プロセスにおいて信頼感を得ることができ、組織のサポートを感じることができます。

学習意欲と向上心

評価者は好奇心や学習意欲があり、常に向上心を持った前向きな特性が必要です。

皆さんは、常に自己成長していて、いつになっても追いつけないような存在の人と自己成長もなく、すぐに追いつけそうな存在の人とどちらに評価してもらいたいでしょうか?

そういう意味では、評価者は多くの社員から尊敬してもらえる立場である必要があります。

また学習意欲と向上心があり日々研鑽を積まれている評価者であれば、仮に社員からフィードバックや相談を求められた場合には、自身の知識や経験に基づくアドバイスが可能となりますので、人事評価制度の運用は飛躍的に高まります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

評価制度は定量的であるべきという話を前回しましたが、それを評価する・評価されるのは人間です。

形のある評価制度をいかに活用してくのかは、それを利用する人がどんな人なのかによって結果は大きく変わってきます。

人を動かし、向上させるのが本来の人事評価制度のあり方です。

その秘訣は、評価者が人事評価において情熱を注ぎ込むことによって有益なものとなり得るでしょう。

これまでの記事を参考に自社の「人事評価制度」を作成をぜひ進めていってください。

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