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経営者の右腕・左腕づくりの神髄2

前回は、経営者の左腕をいかに作っていくかについて下記の4つの基準を示しました。

1.従業員を雇っているか
2.相手がターゲットとしている企業と自社がマッチしているか
3.ベクトルが同じ方向を向いているか
4.専門分野以外の知識と横の連携はどうか


今回はその一つ一つを具体的にお伝していきます。



従業員を雇っているか

会社の成長に、従業員は不可欠です。

しかし、従業員を雇うとそれに伴う悩みは尽きることがありません。


・どうすればいい人材が入ってくるか
・どうすればいい人材に育ってくれるか
・離職率を減らすにはどうすればいいか
・どういう福利厚生を設けると従業員は喜ぶか

従業員を雇っていると、従業員の雇用の悩みに対して

自分の経験を伝えることができますが、雇っていなければそれができません。

やはり、自分が経験したものに勝るアドバイスはそうそうありません。

一人でもいいので雇用を経験した方に依頼されることをお勧めします。


相手がターゲットとしている企業と自社がマッチしているか

マーケティングとは会社に長期的な利益を生み出す仕組みのことです。

人材の採用でマーケティングを活用するとは会社に長期的な利益を

生み出すことが見込める人材との出会いを指します。

経営者は

「どの顧客に対して自社の一番強みを提供できるか」

を念頭にお客様となるターゲットを絞っていきます。

士業も同じくターゲット戦略が重要です。

今後、税理士や社会保険労務士を左腕にしたい考えがある場合、

その方に「どういった企業をターゲットに顧客獲得してきましたか?」と聞いてみてください。

その答えが即座に返ってこないということは、

あまり明確な事業計画をもって経営していない可能性があります。


また、明確な返答があった場合でも

そのターゲット(事業規模・財務状況・労働問題・離職率など)があまりにも自社と異なる場合は、

その人の力を十分に利用できない可能性もありますので

依頼する場合は十分な検討が必要となります。


ベクトルが同じ方向を向いているか

経営の方向性、成長の速度は企業によってそれぞれです。

士業も戦略や営業のスタンスはそれぞれです。

・積極的に営業をかけ、人を採用し会社(事務所)を大きくしていきたい。
・一人でボチボチやっていきたい。


のどちらの事務所経営戦略なのかによって

スタンス(日々の行動)は大きく変わってきます。

これは、左腕としてサポートするときにも少なからず影響してきます。

経営者と左腕の向いている方向が大きく異なる場合は、

最初は違和感、時間の経過とともに大きな隔壁となってきますので

スタンスとしてベクトルに大きな開きがないか、

伴走してくれる相手なのかを見極める必要があります。


専門分野以外の知識と横の連携はどうか

資格は完全なテリトリーが決まっています。

しかし、経営には明確な領域はありません。


例えば、労務管理をするにあたり、

給与とは財務・会計が密接にかかわりますし、

補助金申請するうえで事業計画書を作るとなれば

経営の様々な視点から自社を見つめる必要があります。

社会保険労務士や税理士など資格を持ち、業として行える業務は決まってきます。

当然、専門性を持ってその業務に対応することは重要なことですが、

時にそのテリトリー外からの視点で見つめる必要も出てきます。

その際に士業の方が自分のテリトリー外の知識を有しているかどうかで

信頼度は大きく変わってきます。


例えば、社会保険労務士が決算書を読めるようになることで

将来的な人件費の上昇の推移が細かく見れたり、

キャッシュフローが分かることで

従業員の賞与額の決定にも説得力が増します。

また、士業の方が一人で解決できない問題に対しては、

いかに他の士業との連携が取れているかも重要です。

特定の税理士のみと連携するのではなく、

法人税に詳しい税理士
相続・贈与に詳しい税理士
海外の税法に精通している税理士

など、

自社の問題に的確に対応できるパートナーを

いかに多く持っているかも選択肢の一つになってきます。